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Une Histoire...(むかしむかし....)

ピエリック ビシンスキー & アレックス サンダース

エコール デ ロワジール社 フランス 1998年



パパにバシッ急にクマのぼうやが泣き出しました。お父さんグマは、なんとかぼうやをあやしにかかります。けれども、ミルクを差し出せば、後ろにポーイ、ぬいぐるみは、お父さんのおでこにバシッ。しかもその時のぼうやの顔がにくらしい。

パパになげるんじゃない!
パパはやさしいだろう。
おかしがほしいの?











おしゃぶり うわーん

父さん、ちょっとムッとしながらも、ここはこらえて、クッキーをあげますが、ぼうやは無情にも床にたたきつけて、こなごなにしてしまいます。結局チュウもだっこもねんねもパイパイも,なんでもかんでも拒まれて、ぼうやが怪獣のように絶叫している横で、困り果てたお父さんはとうとう自分がおしゃぶりをくわえて、ハイハイしてしまいます。

さて、そこでどうしたかというと、お父さんは絵本を取り出します。ぼうやがページをめくると、さっきの哺乳びんや、ぬいぐるみ、クッキー、おしゃぶりたちが、誰も使ってくれないと泣いていました。次にお腹が空いて、誰か遊び相手が欲しくて泣いているおひめさまが登場します。おひめさまはミルクを片手にクッキーを食べ、ぬいぐるみにキスをします。そしておもちゃたちを全部を持って、スヤスヤねむります。
最後はぼうやもおひめさめとおんなじように、全部しっかり握り締めて、満足な表情でねんねします。外はもう夜です。

まず目を引くのは、色のきれいさです。表紙は濃いレモン色、裏は紫で、開くと黄色の濃淡をつけたバックに、切り絵タッチの白クマの親子がいます。隣りの画像は裏表紙です。実際の色はもっとずっと鮮やかです。お父さんは白目のところがエメラルドグリーンなのがなぞですが、なかなかのハンサムです。途方にくれて、つい自分でおしゃぶりをくわえてしまったりと、かわいいお父さんです。ぼうやに見せる本は真っ赤で、小さな冊子になっています。それが絵本本体に赤いリボンでつながれているので、実用的にも見かけ面でも、とてもいいです。おしゃぶりや哺乳びんが何とも言えない悲しそうな顔で泣くのを見ると、こちらまで悲しくなってしまいます。怪獣のように泣いたり暴れたりのぼうやですが、最後におもちゃをみんな抱きしめて眠っている顔はなんとも言えません。









(「LOLA」からの続きです。)
エコール社はごく小さい子向けとして「loulou & companie」というシリーズを出しています。「Une Histoire」もこのシリーズのものです。みなたいへんかわいらしく、楽しいものばかりです。外国のおもちゃ箱をひっくりかえしたような、カラフルでセンスのいい絵本がそろっています。大きさも形もさまざまで,ページの一枚一枚を厚めにするなど、小さい子でも扱えるような工夫がなされています。赤ちゃんのころから、こんなにすてきな絵本に囲まれているなんて、うらやましくなってしまいます。フランス独特の色彩感覚は、こんなところからも養われるのでしょう。
「シャントリーヴル」では、私がお会いした店長さんはもう引退され、去年お店を倍の大きさにしたそうです。子どもが自由に遊べるコーナーもあります。余談ですが、お店の隣りには「メゾンドショコラ」というとってもおいしいチョコレート屋さんがあり、また歩いて5分くらいのところには「ポワラーヌ」という老舗のパン屋さんがあります。ここは田舎パンが有名で、パリの多くのビストロやカフェが使っているそうです。出来たてもいいですが、何日か置くと、また別の味がしてきて、かえってその方がおいしいくなるのが不思議です。店構えも素敵です。パリに行くことがあったらぜひ行ってみてください。


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